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あるところに、一人の男が居た。

それと同時に、一人の女が居た。



2人は、何の接点も無く、本来なら巡り合う事が無かったかもしれない存在・・・

しかし、画面を通した『バーチャル空間』と言うステージを経て、知り合うきっかけになった。



お互い、趣味も好みも、生まれた環境も違う

しかしお互い、自分が持たない『モノ』を持っていた。


それにいつしか、お互いが意識し始める様になった。



それは、『文字』だけの世界で有りながら、その『文字』から始まる『出会い』


そして、メール・電話と言う『交流』の流れの中、いつしかお互いを、普通とは違う感覚で意識する様になって行った。



何も知らないからこそ、知りたくなる衝動・・・



彼は、彼女の事をもっと知りたいと思い始めた

しかし、彼が思っている以上に、彼女は心を閉ざしてしまっていた・・・




過去の深い傷・・・

その事によって、人を心から信用出来なくなってしまっていた。

しかし彼は、彼女に対しての『想い』が、日に日に増していくばかりだった。




そんな境遇の中、彼は考えた。

どうしたら、彼女の心の扉を開く事が出来るのだろうかと



『時間が心の傷を癒してくれる』

そんな言葉が有るけど、果してそうでしょうか?


時間が経ち、そしてその傷が薄れたとしても、それはおそらく『記憶』から薄れているだけに過ぎない

そして、その記憶・・・過去の深い傷とは、消える事の無い『負の感情』でもある事

それを乗り越えるには、その『深い傷』をも超える『相手を想う』『相手を笑顔にする』『相手を幸せにする』と言う既成事実が、必要なのかもしれない。



それには、きっと急いではいけない

ゆっくり時間を掛けて、そして相手に『安心感』『信頼感』を与えなければいけない。


それにはどうしたら良いのか?

彼は、1つの結論に達した




『少しでも多くの時間を、彼女と接する事』



自信を無くしてしまった彼女と、少しでも多く接する事

それは、何の他愛の無い事でも良い

朝と夜の『おはよう』『おやすみ』だけの会話でも良い。


ただ、彼女と毎日接する事が、いつしか彼女の過去の深い傷により閉ざしてしまった『心の重い扉』を、開ける事が出来るのではないかと・・・


そして彼女にもう一度『自信』を持って貰う事が、出来るのではないかと


彼は、本当に彼女の事を想い『好き』と言う感情に、嘘偽りが無いのでしょう。



彼女が持つ『本来の笑顔』と言うモノ

そして彼女が、恋愛に臆病になってしまっている事

彼女が、自信を取り戻す事

また、幸せを掴もうと言う『感性』を、取り戻してほしいと言う事



そして、彼自身が、彼女に相応しい男になる事



この先、彼にとっては、長い道のりが待っているでしょう

それはおそらく、長く険しい道のりなのかもしれない

もしかしたら、永遠に彼女の心の扉を、開く事が出来ないかも知れない・・・




でも彼は、彼女が自信を取り戻し、そして心を開いてくれる事を信じている。

いつか彼女と『リアル』に会い、そしてお互いの気持ちを直接確かめ合う事が出来る、その日まで・・・


バーチャル空間の中、少しでも彼女と接して行くと思う。